ダイアモンドや貴金属(金・銀・プラチナ)の硬さを調べていて
参考になるブログを発見。保存用に引用します。
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指輪の地金に使われる幾つかの合金を紹介します。
まずは、金のうち最も多く使われている18金についてです。
一般に18金とは、全体の 18/24 すなわち 75% が金である合金の総称で、沢山の種類があります。
まずは、最も一般的な、銅と銀を割金に使った18金ですが、その中でも、割金に銀だけを使ったものをグリーンゴールドと呼び、銅のみを使ったものをレッドゴールドと呼びます。そして、その中間のものをイエローゴールドと呼びます。勿論、18金に限らず、銅と銀を割金に使った合金をグリーンゴールド、イエローゴールド、レッドゴールドなどと呼びますが、あまり話を広げても纏まらないので、ここでは18金にのみ話を限定します。
下に、典型的な18金の金、銀、銅の1000分率と硬度、比重を示します。
金 銀 銅 Hv 比重 K18GG 750 250 0 40 15.9 K18YG 750 150 100 120 15.4 K18YG 750 125 125 140 15.5 K18YG 750 100 150 150 15.8 K18RG 750 0 250 170 14.9
これらは、金本体の硬度22に比べて、高い硬度を持っています。
しかし、金の比重は75%で、残りは軽い割金を使っているため、比重は金の19.3g/cm3よりも軽く、純金に比べ重厚感は減り、銅を使ったものは酸化しやすく、銀を使ったもは硫化しやすいという欠点があります。また、同じ18金のうちでも割金に銀とパラジウムを使ったホワイトゴールドと呼ばれる種類の18金もあります。
ホワイトゴールドは、割金の銀とパラジウムの配合で硬さは以下のように変わります。
金 銀 Pd Hv 比重 K18WG 750 150 100 100 15.9 K18WG 750 125 125 115 15.9 K18WG 750 100 150 125 15.9 K18WG 750 0 250 140 15.9 このように、同じ金と言っても、色、硬さ、特徴などいといと違いがあるものです。
また、この他にも、銀と銅とパラジウムの3種類を割金に使ったピンクゴールドなどもあります。
このように、同じ18金でも沢山の種類の合金があり、同じホワイトゴールド、イエローゴールドといっても組成が違うものもあります。また、最初に宣言したように、ここでは18金のみを紹介しましたが、金の中では18金以外にも14金(金58.3%)などが指輪に使う合金として有名です。
そして、14金の中にも18金と同じように、いろいろな組成のホワイトゴールド、イエローゴールドがあります。
このように、一口に金と言っても、一体どういう素性のものか、一言では全く分かりません。次に、指輪の枠に使われるプラチナを紹介します。
プラチナは、その含有量によって Pt850、Pt900、Pt950 などの呼び方で呼ばれます。
Pt の後に示されている数字は、プラチナの1000分率で、Pt850 は 85% がプラチナという意味です。
そして、残りの15%は割金で、日本では、プラチナの割金にはパラジウムを使うことが多いです。
日本で多く使われている Pt850、Pt900、Pt950 の1000分率、硬度、比重を纏めます。
Pt Pd Hv 比重 Pt850 850 150 90 19.1 Pt900 900 100 80 19.8 Pt950 950 50 60 20.7 白色に輝く貴金属として、プラチナとホワイトゴールドが指輪の枠として有名ですが、このようなプラチナとホワイトゴールドを比較すると、ホワイトゴールドの方が固い金属です。
そのため、ホワイトゴールドは白い、固い金属として指輪の枠に使われることも多いですが、これはホワイトゴールドがプラチナに勝っているという単純なことではありません。ホワイトゴールドとプラチナの違いを考えていきましょう。
ホワイトゴールドは白いといってもベースは金です。その色は白っぽいですが濁った色です。
それに対して、プラチナも完全に白ではなく若干黒みのかかった色です。色が全く違います。
また、ホワイトゴールドは割金の銀の割合によっては、硫化しやすさも出てきます。
そのため、ホワイトゴールドは表面にロジウムメッキをすることが多いです。
つまり、ホワイトゴールドの色は、ロジウムメッキの色で、メッキがはげると濁ったホワイトゴール自体の色が現れます。そして、比重もプラチナに比べて低いので、重厚感もプラチナに比べると劣ります。この2つを比較すると、ホワイトゴールドは、硬いけど表面がメッキしてあり、傷が付くと色が変わる。
一方、プラチナは、重厚感がありメッキしてないけど、柔らかいと感じるかも知れません。
しかし、実はプラチナと呼ばれている製品でも、傷が付きやすいとか、プラチナ以外のロウ材を使うと変色するとか、仕上げに手間がかかるなどの理由で、メッキ処理しているものもありますので注意して下さい。また、日本では、85%以上プラチナを含めば、プラチナと呼びますが、世界に目を向けると、欧米では95%以上のプラチナ含有量がないとプラチナとは呼びません。
なので、欧米のブランドに目を向けると、Pt950 を使っているものが多いです。
日本の Pt900 は海外に持って行くとプラチナとは呼ばれません。Pt900 でも柔らかいのに Pt950 ではもっと柔らかいと感じるかも知れないですが、そうとも言いきれません。
その理由は割金に使う金属の種類にあります。日本国内でのみ販売しているメーカーやブランドには少ないですが、欧米ではプラチナの割金として、イリジウム、ルテニウムを使うことが多いです。
以下に、プラチナの割金の違いによる硬度を下に示しました。()内は割金の種類です。
Hv 比重 Pt900(Pd) 80 19.8 Pt900(Ir) 110 21.5 Pt900(Ru) 150 19.9 Pt950(Pd) 60 20.7 Pt950(Ir) 80 21.4 Pt950(Ru) 130 20.8 このように、ルテニウムの割金を使えば、Pt950 でも、日本で売られている割金がパラジウムの Pt900 よりも硬く、ホワイトゴールドとほとんど同じ硬さの Pt950 を作れます。
そして、このような Pt950 は重厚感も高く、酸化や硫化の心配も少ないプラチナになります。
また、欧米のプラチナは表面をメッキ処理することも少なく、プラチナ本来の輝きを残しています。
日本で、このような Pt950 をあまり使わない理由は、コストの問題だと思います。しかし、コストと言っても、単に割金の金属の値段だけではありません。
確かに、パラジウムとルテニウムでは金属としての値段に差がありますが、この差だけだったら一つの指輪で数千円から1万円以内です。その他に、価格差に大きく絡んでくる理由に「貴金属の物理的性質」で説明した融点の違いの問題があります。
パラジウムの融点は1554度とはプラチナの1768度よりも融点が低いですが、ルテニウムの融点はプラチナより遙かに高く2310度です。つまり、ルテニウムを割金に使ったプラチナの地金を作るのには、プラチナよりも500度以上高温の炉が必要になります。
そのような高温炉が必要なため、割金がルテニウムのプラチナは、どこでも作れるものでは無く、炉の設備費のため、ルテニウムを割金に使ったプラチナの地金は材料費以上に高額になります。また、融点や硬さが違うため、メーカーが地金から指輪に加工のときにも、職人には相応の技術も要求されるし、加工時間も変わってきます。結果的に人件費も大きく違ってきます。
このような理由から、日本では、安くて楽に加工できるパラジウムを割金に使った Pt900 が多用されています。そして、僕が問題だと思うのは、「Pt950 は柔らかいから Pt900 程度が一番良いんだ」と宣伝する業者が増えていることです。指輪の硬さは、プラチナの純度だけで決まるものではありません。
今まで説明してきたように、どんな割金を使うかということも、とても重要な要素です。
僕は日本で多用されている Pt900 が好きではありません。
材質が好きでないこともありますが、宣伝の仕方が消費者を騙している感じがして嫌です。欧米では、ホワイトゴールドは、安く硬いものという割り切りから、18金よりも、更に安く、更に硬い、14金の K14WG を使うのが主流になってます。
一方、欧米のブランド店の Pt950 は、高い素材、高い設備費、高い人件費をかけて、丁寧に作ったものが多く、その為価格も高いのです。このように、欧米でホワイトゴールドと、プラチナでは完全に2極化しています。
安さが売りのホワイトゴールド、高いけど品質は確かなプラチナという棲み分けです。また、最近、純度100%の純プラチナというものが売られていますが、僕はあの素材も好きではありません。
先に説明したように、プラチナは単体では Hv40 と本当に柔らかい金属です。
純プラチナの場合は、純度100%と言っても、硬さを出すため、削って作るのではなく、実は僅かな非金属の物質を混入させて、焼き上げて硬さを出しています。つまり、陶器や磁器のように焼き物の硬さになっているのです。
これはセラミックが硬いと言っているようなもので、金属としての硬さではないです。
そのため、金属特有の粘りが無く、硬いけど、欠けやすい材質になっています。このように、単に18金とか、プラチナと言っても、指輪としての素材は、販売しているメーカーやブランドによって全く違ったものです。インゴットで取引されているものと、指輪の枠で使われている材質は全くの別物です。
「同じ18金」「同じプラチナ」と宣伝するメーカーは、知識が無さ過ぎるか、或いは、消費者を騙して設けようとする悪徳なメーカーである可能性を否めません。
指輪の枠は、お店によって素材は全く別物と理解した上で買うべきです。僕としては、ややっこしいので、全ての成分を表示して欲しいです。
そうすれば、誤解が無く安心して買えるのに…ねぇ。
うーん、理系人間の発想といわれそうですが…。最後に…
日本は欧米に比べて、プラチナの需要は高いです。
欧米では日本ほどプラチナの指輪は多くなく、指輪にはホワイトゴールドを含めた金を使う割合が高いです。
そのため、欧米ではプラチナは嗜好品としての色合いが強いです。今まで「日本では」とか… 「欧米では」とか… と言う言葉を沢山使っていましたが、それは広く一般論を話していただけで、日本の中でもキチンとした素材を使っているメーカーもある筈だし、欧米でも酷いメーカーもあると思います。欧米が日本より正直な商売をするとは全く思っていません。
しかし、欧米は、特にアメリカは常に裁判と隣り合わせの文化です。
変な製品を売ると、メーカーのリスクはもの凄く大きくなるので、プラチナが嗜好品だからこそ、ブランドを売り物としているメーカーがプラチナと謳う以上、売るものも選ぶと考えてます。
なので、良い素材の指輪が欲しいなら、欧米でも広く売られているブランドを選ぶと安全だと思います。でも、やはり全ての成分を表示してくれるのが一番安心できます。
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